炭素繊維はグレードによって大まかに民生用炭素繊維と航空宇宙用炭素繊維に分けられます。
まず、民間の炭素繊維、例えば炭素繊維自転車、テニスラケットなどは、その原材料の性能が軍事産業に比べてそれほど厳しくなく、多くの国が独自に製造できるため、価格もそれほど高くなりません。
航空宇宙分野、特に軍事航空の分野では、航空機の高速性と過負荷に対する要求は、材料の強度と変形に対して厳しい要件を課しています。さらに、民間航空機は1kgの軽量化ごとに年間3,000ドルの節約が可能です。長距離ロケットや宇宙船の重量を1kg軽減することで、1万kgごとに1kgの燃料を節約できます。重量を軽減することで、積載量を増やし、飛行コストを削減できます。
異なるグレードのカーボンファイバーの価格にこれほど大きな差があるのはなぜでしょうか。また、無視できない要因として以下が挙げられます。
1.製造工程
炭素繊維の生産は、炭素繊維原線の準備から予備酸化、炭化、包装、そして最終製品に至るまで、非常に複雑なシステム工学であり、各工程と設備には高い要求があります。同時に、炭素繊維の生産は高エネルギー消費のプロセスです。例えば、高エネルギー炭化プロセスは、一般的に低温炭化プロセス(温度範囲300~1000℃)と高温炭化プロセス(温度範囲1000~1600℃)を経ますが、T700、T800、T1000などの航空材料のような高弾性率・高強度炭素繊維を製造する場合は、2200~3000℃の高温処理も必要です。
2.市場要因
市場の観点から見ると、先進的な炭素繊維のコア技術は依然として少数の国によって習得されており、世界の炭素繊維の生産能力は限られており、必然的に価格独占を形成します。
投稿日時: 2019年3月25日